そう思いますよね?
引越しで賃貸住宅を転々としていますと心底そう思います。
私は自分の時間と体力と精神を売って毎月お金をいただいているわけですが、
そのお金を大家さんは働かずして受け取っていきます。
それをいちばん感じたのは、東京に来て3番目のアパートに住んでいるときです。
更新手数料でもめたあのアパートです。
1990年代の中頃。
夏には契約更新をする予定のその年の初め、私は仕事のほとんどを失いました。
リストラってやつですね。
その後なかなか仕事が見つからず、家賃を納めるたびに預金は大きく減っていくのでした。
このままでは家賃は何とかなっても更新料が払えない・・・
仕方なく夜中に働くことにしました。
倉庫整理のアルバイトです。夜11時から朝の8時まで。
そして仕事場まで片道1時間半。品川から専用のバスで移動です。通称「ネコバス」。
倉庫整理の仕事は私にとっては重労働でした。
トラックが運んできた荷物を台車ごと運び出し、その台車をベルトコンベアの前まで移動、
そして荷物をベルトコンベアに手作業で移します。ひとつずつ。
これを夜の11時から翌朝の8時までやります。
午前3時ごろ休憩が入ります。30分。
お金がありませんでしたので、夜食には菓子パン一個とコーラです。
ここで新しい発見をしました。重い荷物を何時間も運び続けると・・・
前腕の内側が内出血します。アザだらけになったのを憶えています。
拘束時間9時間。移動に往復3時間。睡眠は昼間。
この仕事はこれまででいちばんきつかったですね。
でもなんとか3週間だけ頑張りまして10万円ほどいただきました。
しかしその血と汗と涙の10万円のうち更新料として大家さんへ6万3千円、
保険料として2万円払いましたら残りは1万7千円也。
世の中不公平だなぁと生まれて初めて感じた次第です。
こちらは倒れそうになるまで働いてお金を稼いでくる。
大家さんは働きもせずにそれを受け取る。
大家さんの土地や建物は先祖から受け継いだもの。
自分も大家さんになりたいと思いました。
でも元々土地持ってなきゃダメなんだろうな、とも思っていました。
最近までは。
私も勉強してみまして、私のような現時点で資産もキャッシュも持っていないものでも
何とかなるんじゃないかなと思い始めています。
大家さんになるぞ! おー!
PS.ある日、アルバイトに行く途中、品川駅で帰りの切符も買っておきました。
そして仕事が終わった翌朝、
フラフラになりながら品川駅の改札を通ろうとしました。
うちに帰るために。
ところが何度やっても改札を通れません。
疲れているのでなきそうになりながら
切符を駅員さんのところに持っていきました。そうしたら、
「こりゃ期限切れだからダメですね」
「え?」
「だってほら、昨日の午後10時過ぎに買ったんでしょ」
「あ・・・どうにかなりませんか?」
「なりませんね。買いなおしてください」
山手線半周分の切符です。200円以上していたと思います。
その時の私にとって200円は1食分のお金です。
「今、お金が足りないんです。せめてキャンセル扱いにしてもらえませんか」
私がそう行ったときの駅員さんの反応は今でも忘れません。
右手で「シッ」とやったんですよ。犬でも追い払うみたいに。
そしてもう私のことは無視して他のお客さんと話し始めました。
私は泣きそうになりながら新しい切符を買いに行きました。

