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ボクらの隣人紛争

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都営三田線沿線のアパートですが、鉄骨造の3階建て、ただし1階部分は駐車場
という物件でした。
誤解してる方もいるかも知れませんが、
鉄筋コンクリートというのと鉄骨造ではまったく構造が異なります。

鉄筋コンクリートというのは名前の通り、鉄の骨組みにコンクリートの壁や床で建造されたものです。
ところが鉄骨造というのは骨組みだけ鉄で、壁や床は木造と変わらなかったりします。

で、私が住んでいた都営三田線沿線の物件は鉄骨造なのですが
外壁のつくりは良くて外からの音はよく防いでくれました。
だから内壁、つまり部屋と部屋とを隔てる壁も同じようなものだろうと思っていましたが・・・

違いました。

新しい隣人が引っ越してきてそれが分かったのです。

ある朝、ものすごい爆音で目が覚めました。
このアパートでは初めての経験です。
わがイヤーウィスパーをものともせず、頭の真ん中まで響いてきました。

新しい隣人の聞く、決して上品とはいえない音楽のせいだったのです。
壁が振動するほどの大音量です。

例によって小心な私は、苦情も言えずひたすら耐えていました。
しかしこういうことが毎日ではないにせよ1日おき2日おきくらいで続くんです。
次第にストレスが昂じてきました。

どんなに疲れていても安眠できない。
当時はもう気楽な学生ではなく、働き始めたばかりでしたので
仕事でのプレッシャーもありました。
睡眠不足が仕事上の失敗を惹起するかもしれない。
そう考えると余計にストレスは強まりました。
とうとう隣人の騒音に対して恐怖すら感じるようになりました。

あるとき恐怖が怒りに転じました。

その日、騒音を聞いた瞬間、
衝動的に隣室との境になっている壁を蹴飛ばしてしまったんです。
穴が開かない程度に強く。
小心のくせに、よせばいいのに・・・

そうしたら隣人は音を小さくするどころか、壁を叩き返し、更にボリュームを上げました。

その日以来、いやがらせのように騒音は続きました。
私の怒りは募りに募り、毎日復讐することばかり考えていました。
頭に血が上って、復讐以外の手段は考えようとしませんでした。
なにか証拠が残らない手段はないものか・・・
大げさではなく、殺意すら覚えました。

しかし幸いにも小心者ですから大それたことはできません。

そして、今度は虚しくなってきました。

「俺は馬鹿か」と。

こんなやつと仕返し合戦をして何の得がある、と。
結局心身を消耗させ、その上怒りと憎悪で自分の心を汚しているだけじゃないか、と。

ということで三度目の引越しを決意しました。

教訓。

今になって考えれば、採りうる手段は他にもあったのです。
簡単なのは大家さんに知らせること。
それから現在の私が得意としているお手紙作戦。
他にも迷惑している人はいたでしょうから、その人と協力することもできたでしょうし、
ひどすぎる場合は警察を呼んでもよかったはずです。

冷静さを失って考えることのできなかった私が馬鹿でした。

ただ、騒音はそこまで人を追い詰めます。
私は幸いにも犯罪にいたることはありませんでしたが、
現実に犯罪は起きています。騒音被害を動機とする犯罪が。
そんなニュースを聞くと、他人事とは思えないのです。
何か間違っていたら、あれは自分であったかもしれない、と。

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